通販でお買い物をすると、必ずと言っていいほど商品は段ボールで包装されて届きます。段ボールをリサイクルに出すのが大変、と思っている人は多いのではないでしょうか。
この段ボール、知れば知るほど「サステナブル」な素材であることがわかってきました。
段ボールは、段ボールからつくられる
段ボールの原料は?と聞かれたら、すぐに答えることはできますか? 大切な商品を保護する目的で利用される段ボールは、その役割を終えると、新しい段ボールの主原料として何度もリサイクルされています。
もう少し詳しくお伝えすると、段ボールの原材料はダンボール原紙と糊。そして、ダンボール原紙の原材料は、一般家庭や企業からリサイクルに出された使用済みの段ボール(リサイクル・ダンボール)とパルプです。
割合は、リサイクル・ダンボールが90%以上で、木材からつくられるパルプは10%未満しか使われていません。(ちなみに糊は、コーンスターチからつくられます。コーンスターチはトウモロコシを加工して得られるデンプンのこと。水分を与えて加熱することで糊化します。)
つまり、段ボールの原料は段ボールということ。段ボールはごみにならない、ほぼ100%リサイクル可能なリサイクルの優等生なのです。
しかも、日本の段ボールの回収率は95%以上なのだとか。原材料の多くを国内でまかなえるのは、この高いリサイクル率のおかげですね。
段ボールの製造工程
段ボールは古紙回収業社のもとに集められ、プラスチック片や金属片など異物をチェックしたうえで、粉砕・圧縮して製紙工場へと送られます。
製紙工場に送られたリサイクル・ダンボール(段ボールの原料)は、パルパーに投入され、水でほぐしながら異物を除去して、繊維状にされます。「紙」からつくられる段ボールは、水でほぐすだけで繊維状に戻るため、サイクル工程の環境負荷(CO2排出量)も低いといえそうです。
そのあとリファイナと呼ばれる繊維を叩きほぐす機械に入れられ、繊維に柔軟性を与えたあと、抄紙機に通されて紙にすかれ、巻き取り原紙となります。
次に、コルゲータと呼ばれる機械で表・裏のライナーで中芯を挟む構造がつくられ、最後に折り曲げ、切り込みを入れるなど加工して段ボールとなります。
保温性、保冷性にもすぐれ、トラックへの積載効率もいいことから、汎用的に使われている段ボール。万が一リサイクルされずに放置されてしまった場合でも、100%天然素材のため、最後は土に還ります。
段ボールをごみにしないために、リサイクルに出すことを徹底したいですね。